要点
- リリース: Xは2026年7月20日、社内でおよそ1年間の開発期間を経て、完全に書き直したAndroidアプリの新バージョンを公開した。
- 技術基盤: アプリはKotlinとJetpack Composeによるスタックでゼロから再構築され、新しい下部ドックとトピック別のカスタマイズ可能なタブが導入された。
- 課題: Spaces機能、タブレットへの最適対応、旧型端末でのサポートは未対応のまま残されており、利用者からは通知やダークモード、折りたたみ端末でのバグ報告が寄せられている。
コードの全面書き直し
Xは2026年7月20日、Android向けアプリケーションの新バージョンをリリースした。社内ではこの本OSにおけるプラットフォーム史上最も大きなアップデートと位置づけられている。単なる修正パッチではなく、アプリはゼロから再構築され、従来のアーキテクチャ全体がKotlinとJetpack Composeを基盤とする新しいスタックに置き換えられた。

このプロジェクトは、技術的に持続不可能と判断された状況から生まれた。長年にわたりAndroid版アプリはiOS版に比べ明らかに劣る動作を見せており、外部リンクを開いただけで投稿が読み込まれないといった事例も発生していた。2025年8月、プロダクト責任者のNikita Bier氏は、Android体験を全面的に再構築する専門チームの発足を発表していた。
追加された機能
新しい技術スタックは、読み込み時間の短縮、スクロールの滑らかさの向上、通知の反応速度改善を目的としている。インターフェースには画面下部のドックが導入され、iOS版に合わせた形でX Chatへの直接アクセスが可能になった。新たに追加された機能としては、サッカー、株式市場、政治、スポーツといったテーマ別タブの固定表示があり、メインフィードを経由せずに独自のタイムラインを構築できるようになった。
今回のアップデートでは、旧バージョンで最も多く報告されていた問題の一つである外部リンクの読み込みについても改善が図られ、プラットフォーム内に既に存在するメッセージング機能やデジタル決済システムとの連携も拡張されている。

利用者から報告された不具合
今回のリリースに対する反応は分かれている。Xの公式投稿には、画像の読み込みの遅さ、動画の再生停止、通知アイコンの重なり、ダークモードの不具合などの報告が相次いで寄せられている。タブレット利用者からは、ウェブ版で表示される3カラムに対し、アプリでは依然として1カラム表示にとどまっているとの指摘がある。Galaxy Fold折りたたみ端末の利用者からは、画面を開いた状態での使いやすさを支えていた側面パディングが失われたとの報告が上がっている。
未実装の機能
Bier氏は、修正が必要ないわゆる「粗さ」が存在することを認めている。ライブ音声機能であるSpacesは現時点では未対応である。旧型のAndroid端末における性能についても、さらなる改善が必要とされている。新しい動画編集機能、動画付きリアクション機能、キャッシュタグ、完全なカスタムタイムラインについては発表されているものの、リリース時期は明示されていない。

戦略的な意味合い
Xは今回の取り組みを、同社がこれまでに手がけた中でも最大級のエンジニアリングプロジェクトの一つと位置づけており、新しいアーキテクチャによって今後の機能リリースをより迅速に行えるようになるとしている。今回の時期は、プライベートメッセージング、決済、動画コンテンツ、そしてGrokアシスタントとの統合に向けたプラットフォーム拡大の流れの中に位置づけられる。強固なAndroid基盤は、本OSの利用割合が高い市場での成長を支える機能を果たすものとなる。
