デジタル化へ踏み出すタイ:初の入国管理システム「THIM」がAWSで本格稼働
バンコク、2025年5月28日 — タイが公共サービスのデジタル化に向けて大きな一歩を踏み出しました。Amazon Web Services(AWS)は、Digital Identity Co., Ltdおよびタイ入国管理局と共同で、タイ初の入国管理専用ウェブ・モバイルプラットフォーム「THIM(Thailand Immigration Management System)」の正式ローンチを発表しました。AWSのクラウドインフラを全面的に活用して構築されたこの野心的なプロジェクトは、世界中から訪れる数百万人の旅行者にとっての入国体験を根本から刷新するものです。
世界一の観光都市バンコクが直面する巨大なインフラ課題
その背景は非常に重要です。バンコクは2025年においても国際旅行者数世界第1位の都市としての地位を維持しており、それに伴う出入国管理システムへの負荷は計り知れないものがあります。こうした現実を前に、タイ政府はクラウド技術への投資を決断し、これまで多くがアナログまたは断片的な形で運用されてきたプロセスの近代化に乗り出しました。
このような状況の中で誕生したのがTHIMです。タイ入国管理局の委託を受け、Digital Identity Co., Ltdが開発を担当しました。このプラットフォームはAWSのクラウドサービスを活用し、国際旅行者の入国ピーク時においても、拡張性・セキュリティ・安定した運用を確保しています。

THIMでできること:主要機能のご紹介
THIMは、ビザの種類を問わず、タイに入国するすべての外国人を対象に設計されています。ウェブ版とモバイル版の両方で利用可能なこのプラットフォームは、入国手続きを簡素化・迅速化する革新的な機能を多数備えています:
- 事前デジタル登録:タイ到着前に手続きを完了でき、国境での待ち時間を大幅に短縮
- アプリ内パスポートスキャン:旅行者の本人確認を迅速かつ安全に実施
- 入国データの一元管理:当局がリアルタイムで入国者情報にアクセス可能
- 全ビザ種別への対応:観光客・就労者・外国人居住者など、あらゆる利用者が使えるユニバーサルなツール
AWSの役割:近代化を支えるクラウドの力

THIMの基盤としてAmazon Web Servicesが選ばれたのには明確な理由があります。AWSのクラウドインフラは、タイの観光シーズンに伴うアクセス集中にも柔軟に対応できる高い拡張性を備えており、生体情報や個人書類といった機密性の高いデータを扱う際にも最高水準のセキュリティを提供します。
Amazon.com, Inc.(NASDAQ: AMZN)の一部門であるAWSは、アジア太平洋地域における政府のデジタル化推進を数多く支援してきた実績があります。THIMプロジェクトはその流れを継ぐものであり、クラウドが公共サービス変革の戦略的な柱であることを改めて示しています。
アジアにおけるデジタルガバナンスの未来モデルへ
THIMのローンチは、単なる技術革新にとどまりません。それは、効率性・透明性・利用者体験を重視したタイの新たな行政ビジョンの表れです。観光地としての競争力が「スムーズな受け入れ体制」によっても左右される時代において、入国手続きの簡素化は戦略的かつ文化的な選択でもあります。
THIMを通じてタイは、単に行政手続きをデジタル化するのではなく、国と世界との最初の接点そのものを再定義しています。そして、それを今日最先端のクラウドコンピューティング技術によって実現しているのです。
