主要ポイント

  • ラウンドと評価額: Shield AIはシリーズGラウンドで15億ドルを調達し、投資後評価額は127億ドルに達した。これは12カ月で140%の上昇となる。
  • 戦略的買収: 2026年6月22日、米国防総省向け高精度シミュレーション技術を専門とするAechelon Technologyの買収が完了し、自律ソフトウェアHivemindとの統合が進められる。
  • 成長軌道: 2026年の売上高は5億4000万ドルを超える見込みで、年間成長率は80%を上回る。米空軍のCollaborative Combat Aircraftプログラムへの選定が成長を後押ししている。

ラウンドと財務構造

Shield AIは、Advent InternationalJPMorganChaseのSecurity and Resiliency Initiativeが共同主導するシリーズGラウンドで15億ドルを調達した。これに加え、Blackstoneによる優先株式投資5億ドル、および2億5000万ドルの信用枠が組み込まれている。同社の累計調達額は現在31億6000万ドルを超える。投資後評価額は127億ドルとなり、12カ月前と比較して140%の増加を記録した。



Shield AI シリーズGで15億ドル調達、評価額127億ド... - Foto 1

Aechelonの買収

同時期の2026年6月22日、Shield AIは1998年創業でサウスサンフランシスコに拠点を置くAechelon Technologyの買収を完了した。Aechelonは国防総省、米沿岸警備隊、同盟国軍が使用する高精度シミュレーション環境を開発しており、Joint Simulation Environment(JSE)において中心的な役割を担っている。創業者のIgnacio Sanz-Pastor氏は同部門の指揮を継続し、Shield AIのCEOであるGary Steele氏に報告する体制のもと、既存の製品ロードマップと顧客関係を維持している。

Hivemindとソフトウェア優先型モデル

Shield AIの中核製品はHivemindであり、GPSを使用せず、人間のオペレーターとの継続的な通信も必要としない自律操縦システムである。妨害電波や高度な防空システムが存在する「拒否環境」での運用を想定して設計されている。2026年2月、同ソフトウェアは米空軍のCollaborative Combat Aircraftプログラムに選定された。同社事業の約半分はHivemindを他の自律システムメーカーにライセンス供与することから生まれており、これはハードウェアから制御ソフトウェアへと価値の重心を移すモデルとなっている。



Shield AI シリーズGで15億ドル調達、評価額127億ド... - Foto 2

現場のハードウェア

Shield AIはウクライナにおいて、垂直離着陸型無人機V-BAT(機高約3メートル)の運用を継続している。米沿岸警備隊によれば、2025年には同システムが10億ドル相当を超える麻薬押収を支援したとされる。開発中のX-BATは全長26メートル、翼幅39メートルの自律戦闘機で、航続距離は2000海里、実用上昇限度は5万フィートに達する。

リスクと競合状況

政府顧客への依存は、予算削減や政策変更の影響を受けやすいというリスクを伴う。ITAR規制は海外競合からの保護となる一方、国際的な商業展開を制約する要因ともなっている。競合面では、評価額が最大600億ドルとされるAndurilが、防衛用自律システム分野における主要なライバルであり続けている。



Shield AI シリーズGで15億ドル調達、評価額127億ド... - Foto 3

HivemindとAechelonのシミュレーションプラットフォームの統合は、仮想開発と実戦運用のサイクルを一体化させることを目指しており、戦場向けの新たな自律能力の検証にかかる時間の短縮につながるとみられる。