主要ポイント
- 提携内容: LendoとQuantic Financial Solutionsが、サウジアラビアの中小企業向け融資のために最大7億5000万リヤル(約2億ドル)の機関投資家向け資本プログラムを開始した。
- 構造: 融資対象資産そのものを裏付けとした、シャリア準拠の投資商品を組成し、国際的な機関投資家に提供する。
- 枠組み: Lendoは2026年6月時点で累計融資額が50億リヤルを突破。SIDFとの提携や、J.P. Morganが主導する6億9000万ドル規模の融資枠など、パートナーシップ網を拡大している。
サウジアラビアの債権型クラウドファンディング企業Lendoは、Money20/20 Middle East開催中、ウィーンに本社を置く資産運用会社で、オーストリアのC-Quadrat Investment Groupの一員であるQuantic Financial Solutionsとの提携により、最大7億5000万リヤル(約2億ドル)の機関投資家向け資本プログラムを発表した。

提携の構造
本プログラムは、国際的な機関投資家の資本とサウジアラビア国内の中小企業向け信用市場とを直接結ぶ経路を構築する。Quanticは、Lendoの成長戦略に基づき資金の展開を管理し、融資対象資産そのものを裏付けとしたシャリア準拠の投資商品を組成する。サウジアラビアの中小企業向けの請求書や融資が、グローバルなポートフォリオ向け商品の裏付け資産となる。
主要企業
Lendoは2019年にOsama AlRaee氏とMohammed Jawabri氏によって設立された、サウジアラビア中央銀行SAMAの規制・監督下にある債権型クラウドファンディングプラットフォームである。同プラットフォームは不動産担保なしで、最大700万リヤルまでの資金を48時間以内に提供する。Quanticは欧州の機関投資家資本と、代替信用戦略の運用における確かな実績をもたらす。

ビジョン2030との関連
本提携は、代替的な資金調達経路の発展と中小企業向け信用の割合拡大を目指す金融セクター開発プログラムの一環である。中小企業はサウジアラビアの非石油経済の基盤を担う存在だが、従来型の銀行融資へのアクセスが限られてきたという課題を抱えている。
Lendoの成長
2026年6月時点で、Lendoの累計融資額は50億リヤルを突破した。2025年には30億リヤルの節目を超えている。Quanticとの本プログラムは、SME Bank、Jadwa Investment、BSF Capitalとの機関投資家提携、2025年5月に締結されたSaudi Industrial Development Fundとの2億リヤル規模の合意、そして2026年初頭に発表されたJ.P. Morgan主導の6億9000万ドル規模の融資枠に続くものである。

残る課題
中小企業の信用リスク、小規模借り手の財務データの質、Funding Souqなど競合プラットフォームとの競争といった課題は依然として残る。マーケットプレイス型レンディングのモデルは、個人向けクラウドファンディングから、構造化された機関投資家提携へと移行しつつあり、今後数四半期でさらに数億規模の取引が拡大していくとみられる。
