要点
- 記録的な航続距離: EPA認証を受けたDream Edition Rangeは、一度の充電で520マイル(837km)を達成し、500マイルを超えた初の電気セダンとなった。
- 極限の出力: Dream Edition Performanceは1,111馬力(828kW)を発揮し、0-100km/h加速2.5秒、最高速度378km/hを記録する。
- 独自技術: 924ボルトの電気アーキテクチャと重量74kgのモーターを採用し、出力密度は6,543W/kgに達し、テスラ製ユニットの2倍以上となる。
類を見ない出力と航続距離の両立
テスラ Model Sの技術責任者を務めたエンジニア、ピーター・ローリンソン率いるLucid Motorsは、Lucid Airにおいて、これまで一台の電気自動車では両立不可能とされてきた性能の組み合わせを実証した。Dream Edition Performanceは1,111馬力、約828kWを発生し、0から100km/hまでの加速はわずか2.5秒、最高速度は378km/hに達する。
19インチホイールを装着したDream Edition Rangeは、米国EPAより一度の充電で520マイル(837km)の航続距離認証を取得し、500マイルの壁を超えた初の電気自動車となった。Grand Touringは516マイル(830km)にとどまるものの、ライナップ全体が効率性ランキングの頂点を維持している。
コンパクトなモーターと924ボルトアーキテクチャ
Airの効率性は、Lucidが自社開発したモーターユニットに由来する。モーター、インバーター、ディファレンシャルを含めた重量わずか74キログラムで650馬力を生み出す。出力密度は1キログラムあたり6,543ワットに達し、テスラ製ユニットの2倍以上となる。
電気アーキテクチャは924ボルトで稼働し、テスラの400ボルト、ポルシェ・タイカンの800ボルトと比較してエネルギー損失を低減し、急速充電を高速化する。空気抵抗係数0.20は、高級セダン部門における記録的な数値である。ホイールの選択は航続距離に直接影響し、Dream Edition Rangeで19インチから21インチに変更すると、約63キロメートルの航続距離低下が生じる。
急速充電と車内装備
350kWのDC急速充電器を使用すれば、Lucidが自社開発した「Wunderbox」技術により、Airは20分で300マイル(480km)分の航続距離を回復する。ドイツ勢のライバルと比較して外形寸法がコンパクトであるにもかかわらず、車内は同クラス中でも屈指の広さを誇り、パノラマルーフ「Glass Canopy」と、5K解像度の34インチ曲面ディスプレイを備える。
運転支援システム「DreamDrive」は32個のセンサーを統合する。内訳は14台のカメラ、5基のレーダー、12個の超音波センサー、そして125本のレーザーを備えた高解像度Lidarであり、将来の高度自動運転機能の技術基盤となる。
ラインナップの拡大と今後の目標
2026年8月、Lucidは3列シートのSUV「Gravity GT-S」を発表し、1,070馬力という性能志向のアプローチをセダン以外にも拡大した。一方Airは、Car and Driver誌の「10Best list」に選出され、「World Luxury Car of the Year」の称号も獲得している。
ローリンソン氏は、1kWhあたり8kmという効率目標の達成を掲げており、これは業界の他メーカーがいまだ到達していない水準である。
